【インタビュー】VAMPS、「<JOINT 666>は刺激的な企画になっている」 https://t.co/tnbjZYKPtN #VAMPS #JOINT666 pic.twitter.com/vAoznk62hP
— BARKS編集部 (@barks_news) 2016, 1月 20
VAMPSが2015年11月より、
籠城型にして対バン形式となる
ツアー<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>を開催。
なんばHATCH公演最終日の楽屋でHYDEとK.A.Zに
<JOINT 666>を振り返っていただきつつ、
UKツアーがもたらした変化、
2016年のVAMPSについて話を訊いた。
刺激と誇りを得て、果てなく進化し続ける2人の
現在をロングインタビューでお届け☆
■自分の悪いところも、良いところもわかる
■新しく何かを取り入れようとする気持ちになるよね
──2015年12月末現在、<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>も全体の2/3を終了しました。追加公演を含めると折り返し地点になるわけですが、これまでの手応えはいかがでしょう?
HYDE:思っていたよりも、ありだなと感じてますね。
ワンマンはずっとやってきたけど、それとは全然違うカタチで刺激を得られているから。
──対バンツアーならではの刺激ですね。
HYDE:うん。自分の悪いところも、良いところもわかる。
そういう刺激的な企画になっているなと思います。
現状をグルグル回っている感じではなくて、新しく何かを取り入れようとする気持ちになるよね。
──お客さんにとっても刺激的だと思いますが、衝撃的だったのは“大阪 ブラサカ SIXでSEX”というライムです(笑)。
HYDE:あはは。そうかもしれないね。
まさに新しく取り入れたんです。吸収した(笑)。
──これは大阪公演2日目のDerailersとのジョイントで、レゲエヴォーカリストRueedのライムスタイルをHYDEさんが即座に取り入れて実践したわけですが、ライヴ後、Rueed本人もビックリしてました(笑)。K.A.Zさんはいかがですか?
K.A.Z:観に来てくれるファン、お客さんにとっては、ワンマンのほうがVAMPSのステージを長い時間見ることができるということもあるとは思う。
だけど、たとえば2月に開催した<VAMPARK FEST>はみんなも楽しめたと思うし、<JOINT 666>もその延長線
上にあるもので。いろいろな音を聴いて楽しむことができると思う。
僕たち自身も音楽的に、VAMPSとはまた違う音の作り方だったりを知ることができるんです。
それぞれのバンドで、それぞれのサウンドの作り方があって。
それが刺激になったりするよね。
そういうことはワンマンで廻っていたらわからないことだから。
──Ju-kenさんという1人のベーシストがVAMPSとDerailersとではまったく別のスタイルをみせた大阪公演2日目も、それが顕著に表れましたね。
HYDE:あぁ、そうだね。どういうベースを弾くのかなと思って観てたけど、あのルックスも新鮮だったよね、ストリート系の。
──たしかに見せ方もサウンド&プレイも全然違いました。おっしゃる通り、ジョイントアクトの存在がそれぞれの音楽的な個性を際立たせることになっていると思います。VAMPSとしてはライヴを構成するにあたって、どういうセットリストで臨もうと? BARKSはこれまで7本のライヴを拝見しているんですが、まったく同じセットリストってこれまでないんですよね。
HYDE:今回のツアーに関しては、2DAYSごとで考えましたね。
1日目の始まり方がこうだったら、2日目は別の始まり方というカタチで内容がかぶらないように。
だからパズルを組み合わせていくような感じですかね。
基本的に2日間で楽しめるメニューを目指しています。
選曲に関して今回はアルバム『BLOODSUCKERS』という枠をなくして、これまでのVAMPSの集大成というかね、新しいセットリストで。
──K.A.Zさんは今回のツアーでゾディアックのSGタイプをはじめ、Vタイプやフェンダーのジャズマスターなど様々なギターを使用されていますが、その音抜けもライヴを重ねるほど進化していくように感じているんですが。
K.A.Z:この曲だったらこのギターだなというのがあって。
曲によってギターの抜け方というか聴こえ方が全然違ってくるんだよね。
いつもと同じギターを使っていても、この曲だと全然抜けなくなるなっていうのもあったりするから、そのあたりは楽器を変えることで、曲に合うギターをアジャストしてフィッティングしていく。
それでも、ベースの音作りが変わったりだとか、案外、バンドの中のひとつの音が変わっただけで全部の音が変わったりする部分もあって。
それに対して少しずつセッティングを変えていったり、ツアー中も試行錯誤しながら、音を作り続けてるね。
■BLOODSUCKERSの気持ちが誇らしいというか
■これは他のバンドもイヤな気持ちにならないだろうなって
──これまでの公演を振り返っていただきたいのですが、お2人は毎回、対バン相手のライヴをしっかりご覧になってますよね。
HYDE:うん。自分たちで主宰してファンのコに観せているわけだから、知っておかないとっていう責任感がありますよね。
もちろん観たいっていうのもあるし、“こういうバンドなんだな”とか“おもしろいところないかな”とか探ったりしていますね。
──そのなかで、特に印象に残っているシーンはありますか?
HYDE:まずBLOODSUCKERS達だよね。
理解しようとしているところが素敵だなと思いました。
お客さんのほとんどがVAMPSファンだと思うんだけど、それでもちゃんとジョイントアクトの曲を歌おうとしたり、盛り上げようとしているところが誇らしいというか。
これは他のバンドもイヤな気持ちにならないだろうなと思った。
もちろんカッコいいバンドに出てもらっているつもりなんだけど、盛り上げようっていう気持ちがないと、そうはならないだろうから。ファンが大したもんだなって。
──BARKSは全対バンのインタビューをさせてもらってますけど、「お客さんが温かい」ということはみなさんおっしゃいます。
HYDE:やっぱりビビりながら来てる人たちもいっぱいいるから。
Hiro(MY FIRST STORY)も言ってたけど、めっちゃアウェイだったらどうしようとかね。
そういう気持ちで来ているところに、ああいうふうに盛り上げてもらえると嬉しいんじゃないですかね。
──<JOINT 666>を楽しもうとか、成功させたいというBLOODSUCKERSの想いの強さですよね。それは対バンにも言えることで、たとえばMONORALは、HYDEさんと一番最初に対バンした2003年のライヴを思い出すようなセットリストを組んだという話でした。それぞれのVAMPSに対する想いが詰まったライヴになっているという。
HYDE:あぁ、そうなんだ。独特でしたよね、MONORALは。その2003年のことを誰が覚えているかは知らないですけど(笑)。
K.A.Z:どのバンドもパフォーマンスももちろんいいし、すごく演奏力が高いなと思いましたね。
海外勢なんて“いったいどこから音出してるんだろう?”っていうくらい、しっかりした土台があったり。
それに若いバンドたちも、自分たちが同じ年代のときより全然演奏クオリティが高いし。
観ていておもしろい。
──KNOCK OUT MONKEYのメンバーはK.A.Zさんのギタープレイをコピーしてたそうですし、K.A.ZさんやHYDEさんからの影響も大きいことは、各バンドのインタビューでも語ってくれています。で、2016年1月のZEPP NAGOYA公演にはNothing's Carved In StoneやROTTENGRAFFTYとのジョイントも発表されていますが、VAMPSとは初顔合わせとなります。
HYDE:KNOCK OUT MONKEYはROTTENGRAFFTYとかとよくライヴをやっているみたいだよね。
YouTubeで映像とかを観たんだけど、カッコいいなって思いました。楽しみ。
K.A.Z:新年を迎えた一発目が、今まで一緒にライヴをしたことのないバンドと音を出せるということが、やっぱり楽しみですね。
──未知のバンドたちがVAMPSに新たな刺激をもたらしてくれるんでしょうね、大阪公演のRueedくんのように。
HYDE:吸収しますよ(笑)。まぁ、あのMCは大阪限りのものだから思いっきりやったというね。
“大阪 ブラサカ”の韻の踏み方があってこそでしょ(笑)。
──名古屋公演の3日目から最終日までの4DAYSはフィンランドのバンドApocalypticaとのジョイントとなります。まず、11月後半にはそれに先駆けてApocalypticaとのUKツアーがありました。6日間連続公演という濃密スケジュールでしたが?
HYDE:イギリスに行ったという印象はあんまりないですね、結構慌ただしい毎日だったので。
ロンドン以外の街に行くっていうことも楽しみにしていたわりには、どこも街の一部しか知ることができなくて(笑)。
あとは牧場とか田園風景みたいな。ずっと雨だったし、散歩に行くのもちょっとね。
──イギリスらしい気候ではあったわけですね。
HYDE:そうそう。ただ、ステージは刺激的でしたね。
忙しいなか新曲(Apocalypticaとのコラボ曲「SIN IN JUSTICE」)を作って、ツアーに間に合わせられたことがやっぱりよかった。
“忙しいからムリ”ってやらなかったら、効果の薄いUKツアーになってしまっていたと思う。
Apocalypticaというメインアクトのステージに僕たちが出て、一緒に演奏できたことがすごくプラスになったと思いますね。
──「SIN IN JUSTICE」のイギリスの反応はいかがでした?
HYDE:これまでのApocalypticaと違う感じの曲だから、新鮮なんじゃないかな。
もともと評判もよかったし、会場も盛り上がるんですよ。
ああいうメタル的なアプローチをするバンドでも、それっぽい演奏もできるし。
だから、名古屋のステージを観たらみんな驚くんじゃないかな。
K.A.Z:UKツアーではApocalypticaと一緒にリハーサルをやってみたりとか、通常のセッションとは違う、もうちょっとバンド寄りに近い感じだったんだよね。
──チェロと一体となったバンドみたいな?
K.A.Z:それに近いような雰囲気はあったね、セッションというよりも。
■ロックの聴かせ方というものが違うんだなって
■ApocalypticaとのUKツアーでそれがわかった
──先日、DerailersのインタビューでJu-kenさんにお話をうかがったときには、このUKツアーを経たことでVAMPSとして音作りの方向性が変化したという発言もあったのですが?
K.A.Z:今回はF.O.H.(フロントオブハウス。ハウスエンジニア)だったりとか、ステージ上のモニターのバランスを作る人も、海外のスタッフでやってみたんだけど、それはそれで、違うものを提示してくれるんですね。
なんとなく日本人と外国人では聞こえてるところが違うんだろうなっていうか、出したいポイントが違うんだなっていうことをすごく感じたりして。
たとえば重心を置く位置が違ったりするんだよね。
──バンドサウンドの定位ですか?
K.A.Z:周波数帯だったり、ローの出し方だったりとかかな。
どちらかといえば、日本だと下に重心を置くというよりも、上寄りとなる音の作り方……腰が高い位置にあるみたいなね。
だけど海外って、どのバンドをみても、腰がすごく低いところにあるんですよ。
ロックの聴かせ方というものが、もともと違うんだなって。
もちろん全然違うサウンドの作り方もあると思うけど、聴いているポイントは違うね。
ロックというものを今後も海外でやるにしても、どうアプローチして、どう聴かせていくかというところが、今回のUKツアーで明らかに違う耳を持っているなということがわかったので、ためになりました。
──その経験は、日本でVAMPSが出す音にも変化をもたらしたりするんでしょうか?
K.A.Z:それを意識することはもちろん必要だと思う。
日本の世の中に流れている音楽って、案外、リズムというものに注目して聴いてないと思うんですよ。
だけど海外の人はリズムがきたらガンガン乗るみたいな感じがある。
受け手側の音楽の聴き方にしても違いがあったりするし、普段慣れ親しんで聴いてるものの環境によってもそれは変わってくるから。
VAMPSとしては上手く、その場所場所にアジャストできればいいんじゃないかな。
でも、特に日本の会場の音響システムはラウドなローサウンドのシステムに対応できるところがあまりない造りだから、イメージしたサウンド創りもなかなか難しい部分もあるけど。
──2015年を振り返ると75本ものライヴを行なったわけですが、ツアーやフェス開催や海外公演も含めてライヴに集中した1年でしたね。
HYDE:いや、僕はでも“あ、そっか”っていう感じなんです。言われてみればそうなんだなって。
──そういう感覚なんですね。この籠城型ツアーも2008年以降ほぼ毎年開催されているものですよね。今回ツアーに同行させていただいて驚いたことのひとつに、早い時間から開場入りして毎公演サウンドチェックとリハーサルをきっちりと行なっているということがあるんですね。籠城型だから、初日以降は音作りもできているでしょうけれども、1本1本のステージに対してまったく余念がというか。
HYDE:そうだね。毎日同じメニューだったら多少は減るかもしれないけど、そうはしないから。
何回もライヴに来てくれるお客さんもいるので、毎日一緒のメニューだったらつまらないじゃないですか。
──では最後に、2016年のVAMPSはどうなりそうですか?
HYDE:それは僕も聴きたいくらいですね(笑)。
まぁ、隙間をみて曲を作っていかないと盛り上がらないと思うので。
出来る限り制作に当てたいなと思ってます。
新しい方向に目を向けて、新しい曲を作ったり、
また新しいVAMPSを見せていけたらいいなと思う。
K.A.Z:やっぱりVAMPSの音楽を全然聴いたことのない人も世の中にはまだまだいるわけで、そういうところにもアプローチをしていけたらなと思っていますね。
今日はvampsのライブ!!!
めっちゃ楽しみ💕💕 pic.twitter.com/oIr4BqE6Tt
— エリ° (@8110_ciel) 2016, 1月 21