羽根
もしも何でも自由にできるとしたら、僕はたぶん空を飛ぶと思うんです。羽根って、自分にとってそういう憧れの象徴に近いのかな。曲名に使ったりもしていますが、モチーフとして使いやすいっていうのもありますね。
背中に羽根の刺青を入れたのは、美しさもあるけど、夢もあるから好きなんだろうなと思うんです。刺青を入れる時、5年くらい絵を探したんです。羽根の絵って、内側はたくさんあるんですけど、外側はあまりなくて。
当時インターネットもまだ普及してなかったので、「羽根の外側を送って」って、ファンクラブで公募したんですよ。たくさんきたけど、ぜんぜん気に入ったのがなかった。内側でも自分のいちばん好きな羽根はどれかって探したら、ルーブル美術館にある「サモトラケのニケ」だなって。でも、あれも外側はなくて、ハリボテなんです。
じゃあ自分で作るしかないと思って、ニケのミニチュアの像を買ってきて型取りをしてね。この時代だったら、たぶんこういうふうに作ったんじゃないかなって自分なりに想像して絵を描いたんですよ。それをそのまま転写して、刺青を入れてもらったんです。
僕の羽根は一部欠けてるんですけど、ニケの羽も欠けてるからなんです。ニケは勝利の女神なので、すごく縁起がいいな、とも思って。実際に、あの像を観たのは実は最近なんです。L’Arc-en-Cielをやっておきながら、フランスに最近まで行ったことなくって(笑)。逆に、行きたくなかったんですね。妙に関連づいてるから、中途半端に観光で行くのは嫌で。行くなら、そうなってくると、ライヴ以外はないなと思っていたんです。
で、2006年に初めて行って、その時のニケとの出会いはドキドキしましたね。階段のいちばん上へ登ったところにあるんだけど、観た時は、初めてなんだけど初めてじゃない、不思議な感覚もありながら、「やっと出会えた」って感じで。勝手ながらも、目に見えない何かで繋がっている気持ちがあるんでしょうね。
〈SOURCE〉
「White Feathers」L’Arc〜en〜Ciel (94)
「Angel’s tale」HYDE (2001)
「Wings Flap」L’Arc〜en〜Ciel (2015) etc
666悪魔の数字ですね。ロックとサタニックって、すごく密接な関係にあるじゃないですか。かつて、それは特に強かったと思うんですね。メタルファンはみんなメロイック・サインをやるし。僕はもともとメタルが好きで、そこからホラーが好きになったんです。
ソロを始める時、自分で忘れかけていた少年時代に思い描いてたロック像を形にしたいと思って、どういうジャケットがいいか、どういうタイトルがいいかって考えて、悪魔的なものにしたいなと思ったんですよ。誰かにやられたら悔しいなっていうタイトルをつけたいなと思って出てきたのが『666』だったんです。
それがきっかけで、いまだに何か数字を使う時には「6」にしている感じですね。でも、今となっては僕というより、スタッフが「好きなんでしょ?」っていう感じで、いろいろなものを6にしてくれるんです(笑)。もちろん僕も嫌いじゃないですけどね。
〈SOURCE〉
「ROUTE 666」L’Arc〜en〜Ciel (2000)
『666』 HYDE (2003)
Tour 「VAMPS LIVE 2015-16 -JOINT 666-」(2015〜2016)
BLOOD僕は色弱だから、血の色の見え方がほかの人と違うんですよ。みんなにとって血=赤だと思うけど、僕に見えている血はもっと黒いというか、茶色いらしいですね。濃いダークな感じ。
最近、色弱の人のための眼鏡があって、それを最初につけて赤の色を見た時にびっくりしたんです。赤って、こんな鮮やかなんだって。コーラの自動販売機がすごく鮮やかで「こんな発色してるんだ」って驚きました。たぶん血の色もそうなんだろうなって、その時に思いました。僕は赤い口紅をつけた女性が、華やかに見えないんですよ。暗い色をつけているように見えるから。
血って血縁のほうの意味もありますよね。親子の関係って、完全にDNAで繋がっているんですよね。親父が立膝で飯を食ってると思ったら、僕も親父と同じポーズで飯を食ってた時はショックでしたね(笑)。そういうのは血かなと思いますね。あとは口紅塗った瞬間に、「あ、母親だ」みたいな(笑)。
〈SOURCE〉
「夏の憂鬱[SEA IN BLOOD 2007]」
P’UNK〜EN〜CIEL(2007)
「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」
VAMPS(2009)
『BLOODSUCKERS』VAMPS(2014)
平和「戦争反対」とか聞くと、理想的でいいとは思うんですけど、どうやったら戦争が無くなるかっていうのは本当に難しいことだなと思う。訴えたところで何をどうすればいいのか、具体案は何も出てこない。僕らが今生きているこの国は平和だから、平和を訴えるのはリアリティーも無く、すごく簡単かもしれない。
だけど、今空爆されている国からすれば、自分の子供を殺されてるのに平和の為に相手を許すなんて思えないですよね。そういうことを考えるとなかなか難しい。難しいというか、答えはないですね。
2005年に作った「星空」(アルバム『AWAKE』に収録)っていう曲とかは、イラク戦争があった時期だったので、そういうニュース記事をいくつか読んで、現地の子供たちの気持ちになって書きました。そういう歌を書くと、音楽で世界は変わるのか、みたいなことを聞かれたりするけど、僕は音楽でどうこうできるものではないと思っています。
ただ、歌で全ては変わらないにしても、叫ぶ事は出来る。自分自身はメッセージ性のあるアーティストであるとか、そうありたいとかは思ってないし、バンと「ラブ&ピース!」とかいうのは苦手なんですけど、そういったニュースは悲しいと普段から思っているので、平和を願うような歌詞が少なくはないですね。
世の中の変なところや矛盾したところを比 喩して表現するのが好きですね。たとえばVAMPIREの視点から人類を見て愚かな奴らだと飽きれるとか、そうした表現でも、やっぱり音楽を聴いてくれた何%かの人の心は動きますから少しは意味があるのかもね。
ロックって、ある種宗教みたいなところがあるじゃな いですか。だから残虐なことだけを言って終わるような音楽だと残虐な心が残ってしまうけど、何か提案したり、「こうじゃないのかな?」っていう表現をして、共感してくれたらすごく残る時がある。それがその人の支えになることもあるので。
特に僕らのファンはありがたいことに熱狂的な人が多くて、僕らの歌をすごく心の支えにして生きている人も多いと思うから。そういうことを考えると、少しは音楽には何かを変えられるような力があるのかも知れないね。ただ、「世界を変える」っていう表現が、自分には大きすぎるだけで、多少なりともそのパワーはある。少なくとも、一部の人のハートに火をつけることはできるだろうね。
〈SOURCE〉
『AWAKE』L’Arc〜en〜Ciel (2005)
SEX僕は、ライヴをSEXだと言っているんです。VAMPSには、「The gig’s sex」っていう歌詞もあって。それが自分たちにとってはすごくぴったりの表現だなと思っているんです。相乗効果であったり、相手をうまく転がしてあげたり、相手を知る愛情表現であったり、時に激しくしたり優しくしたりだとか、ライヴのそういう部分って、すごくSEXと結びつくなと思って。そういう気持ちでライヴをしてますからね。
で、お互いがすごく高め合えたら......イクんですかね(笑)? だからライヴはすごくSEXに似てる気がしますね。本当にSEXのように愛し合うと、すごくいいところにイケるような気がします。
〈SOURCE〉
「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」
VAMPS(2009)
ハロウィン僕らも毎年イベントをやっているけど、ここ最近は渋谷の街とかがえらいことになっていますよね。止めろという声もありますけど、僕はもう止められないと思うんです。何年もイベントをしていて分かるけど、日本人はハロウィンを欲している。だから、止めようとするのではなく、逆にアメリカのように街を3ブロックくらい閉鎖してパレードするべきだと思うんです。渋谷区なのか、東京都なのかわからないけど、ちゃんと仕切ったほうがいいんじゃないかな。
今って、市民が勝手に仕切ってると思うんですけど、そうじゃなくてちゃんと行政が仕切って遊ばせてあげればああはならない。ゴミが出るってことは、みんなが物を買ってるってことでしょう? 何ヶ月も前から関連商品が沢山売れているだろうし、凄い経済効果があるってことなのに、なんでそれを上手く利用しないのかなぁって。
ゴミが出るならその時に沢山ゴミ箱を置きましょうよ。街が儲かるんだから、その為の人を雇えばいいじゃない? アメリカの海岸とかって10メートルおきにゴミ箱を置いてたりするでしょ。日本でもお祭りだといっぱい置いてるじゃないですか。行政が仕切って盛大にパレードすれば、今のような混沌とした状態も減るし、祭りだと分かって予告してれば渋滞も回避出来る。それこそ景気の回復につながると思うんですよね。
それを知ったかぶって子供だけの祭りだとか、起源や、意味を求めるなら、クリスマスの意味をどれくらい日本人は知ってるの? って思う。お盆だってちゃんと意味を知ってるかどうか疑わしい。本当にナンセンス。まあ受け入れるのに時間がかかる人もいるだろうね。
未だに日本人は仏教徒なのにクリスマスなんてとかいう人が居るのと同じかな。それはそれで良いのだけど、行政が他のお祭り同様に認めて仕切る事が出来たらすごく楽しいイベントになると思いますよ、花見とか花火大会みたいに。今はまだハロウィンの持つポテンシャルに制度が追いついてないから、すごくもったいないですね。
〈SOURCE〉
「HALLOWEEN PARTY」
HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA(2011)
ローリングストーンさん
HYDEさんの記事、バンバン載せて下さってます♡
Hydeさんは今頃何しているのでしょうか…
小室さんとはもう飲みに行かれたのでしょうか…?
(*´з`)☆彡