「基本的にはアメリカでうけるサウンドを目指して。HYDEがやってることに対して、HYDEよりカッコいいことできないかなって」
彼が見つめる先はやはり海外。孤高の道を辿る彼の心の内を覗いてきた。「HYDEがやってることに対して、HYDEよりカッコいいことできないかなって」ソロ活動をスタートさせ12年ぶりのシングルリリース、国内ツアー追加公演も決定。HYDEにインタビュー!
――以前ソロ活動した時と今回。何が違いますか?
あの時はまだイマイチ業界のことわかってなかったかな〜。何をどうすればいいかとか。ただ単に自分の曲を作りたいっていう欲求だけでスタートしたけど、そのあといくつかいろんなプロジェクトをやってみて、そこで培った上での今のソロは、けっこう固定概念がないというか。そういう意味ではいろいろ壊しながら、常識に囚われない活動かもしれない。
――経由したことでより自由になった。
うん、すごい自由ですね。
――ソロ活動を意識した段階はいつですか?
VAMPSが活動休止してしばらくしてからですね。
――と言うと休止する前は思ってなかった。
あ、違うな、直前くらいに思ってたかな。それしかないかなぁって。でも1年くらいのんびりしようかなって思ってたんですけど。でもせっかくブッキングしてる会場もあるし。ちょっとできるだけやってみようかって。
――今年はVAMPSが10周年になるんで、てっきり派手にやるのかと思ってました。
うんうん。結局なかったんで、ソロで派手にしようと思って。
――ソロ活動第一弾として「WHO'S GONNA SAVE US」を選んだのは?
いくつか曲作ってる中の1つで、これが最初のシングルにいいなと思ったんで。これまでのと雰囲気違うし、サビがキャッチーかなと思って。
――プロデューサーに新しくニックを迎えたのは? MIYAVIさんやONE OK ROCKのプロデュースも手がけられている方だとか。
それは知らなかったな。勉強不足だね。とりあえずプロデューサーは2人いて、片方はヘビー系が上手で、ニックの方はヒットメイカーっぽい印象だったんで。キャッチーな曲の方はニックにお願いしようって感じですかね。
――いい化学反応はありましたか?
起こる部分と起こらない部分があったけど、基本的にはアメリカでうけるサウンドを目指してるんで。作ってもらって、ちょっと僕にはわかんない部分もあったんで、最後は自分の匙加減で決めたけど。彼のやり方もなかなか勉強になったね。歌もまあまあいいの録れたし。
――カップリングにはなぜVAMPSのライヴでもおなじみの「MIDNIGHT CELEBRATION」のリメイクバージョンを。
前からこの曲やりたいなと思ってたんだけど、ずっとライヴでやってるからね。で、最新型が欲しいと思ってて、VAMPSで最初やろうと思ってたんだけど、タイミング逃して、ああ、じゃあ今やっちゃえみたいな。やっぱツアー前に出るシングルだったから、ノリのいいやつ入れておきたいなと思って。
――nishi-kenさん、PABLOさん(Pay money To my Pain)、お二人のアレンジをミックスされたとか。完成された音を聴いてお二人はなんとおっしゃってましたか?
あ、聞いてないなあ。でもカッコよくなったなって思う。
――どのようなリクエストをされたんですか?
前回を超えるってことですね。どういう変更でもいいから、ノリのいい状態で超えるってこと。最新の音にするというか、流行りではなく今の新しい感じというか。デジタル系の音って、攻撃的なのはいま流行ってないみたいで。攻撃的でありながら最新型にするっていうのが目標でしたね。
――MVで映画「シャイニング」を意識したのは?
今の世の中、惹きつけられる要素が必要かなと思って。ただの演奏シーンだとあんま観てくんないのかなと思って。あれ?どうなのかな?って思わせられる展開がいいなと思って、その内のアイデアですね。
――HYDEさんが誰かに追いかけられ、追いかけているのが実はHYDEさんだったっていうストーリーは、決意表明ともとれますね。
うん、最終的にはそうなりましたね。それは後付けです。
――8/1には「AFTER LIGHT」もリリースされます。より破壊的でライヴを意識したナンバーかと。
これは宇宙と交信してですね(笑)。チーンと降りてきた。神がその音を欲した。っと作ったPABLOが言ってました。嘘ですけど。
――あ、この曲はHYDEさんの作曲ではないんですね。聴いた時の第一印象は?
彼の曲を僕とニックってまた別のプロデューサーとアレンジしていきました。聞いた感じは あ、カッコイイなって。ライヴで盛り上がる曲とかお願いしてなかったかな。
――作詞も違う方に?
作詞は僕のアイディアをプロデューサーが膨らませていく感じです。
――”答えは苦痛の先に”だけ日本語にしたのは?
逆にキャッチーかなと思って。引っかけとして。海外の人が聴いてもあれ?ってなるかなって。
――こちらのMVは光を駆使してヴィジュアル自体にインパクトがありますが、どういうストーリーが隠れているんでしょう。
こっちは大したストーリーないですね。ライヴのスタイルを知ってもらいたくて演奏シーンにしたんですよね。マスクマンが出てきて、マスクマンとUVを使った光の感じを、まず先行して伝えるために作ったって感じです。
――カップリングでは中島美嘉さんに提供した「KISS OF DEATH」をセルフカバーしていますね。
美嘉ちゃんだけにまかしてらんねえなって思って。冗談ですけど(笑)。自分でも歌ってみたくなって。
――実際歌ってみていかがですか?
美嘉ちゃんに渡す時に元々歌ってますけどね。この曲はアニメのタイアップだったんで、アニメの設定をぐわーって見て、チャネリングするかのように作りましたね。監督も気に入ってくれて、有り難かったですね。
――少し前のお話になりますが、ライヴとしては冬の富良野で開催される「Kミサ」が、クリスマスのスペシャルライヴとしてついに東京でも開催されました。Kenさん(L'Arc〜en〜Ciel)も出演されたんですよね。
はい、12月に。
――実際どんなライヴになりましたか?
すごいスペシャルでしたね。みんな大喜びで。
――その後「Kミサ」のアジアツアーもあり、いいバネになりましたか。
そうですね。じっくり歌うのもなかなか面白いもんでね。やってみるとね。アジアではアットホームな感じになりました。
――反応は違いますか?
日本だともっとドSに接することができるんですけど、向こうだと言葉が通じないからドSができないんですよね。MCとかちょっとかわいくなっちゃう。
――北京語で挨拶されたんですよね。
はい、一夜漬けで練習しました。伝わってましたよ。
――6月からは国内ツアーも始まりましたが、ソロということで選曲がぐっと広がったんじゃないですか?
半分はVAMPSの曲とか過去の曲を足したりとか、あとの半分は新曲をやって。まあいい感じの匙加減というか、聴かせつつもノセつつみたいな。
――初日の東京はいかがでしたか?
心配はいらなかったです。反応はいいですね。
――アルバムをリリースする前のツアーというのは珍しいですよね。
アマチュアの頃はありましたけど、久しぶりじゃないですか。みんなにどの曲好き?とか聞いて、シングルどれがいい?とか。そういうのもできちゃうから。また別の楽しみがありますよね。
――男女フロアを分ける”BEAUTY & THE BEAST”というスペシャルデーを設けているのも魅力ですね。この試みを思いついたきっかけは?
VAMPSをやってる時に思いつきまして、女の子のファンが多いんで男の子で埋めるの難しいんですけど、1階と2階ならなんとかなるかなって。やってみたら相乗効果が面白くって。いつも下で暴れてる女の子たちが2階から見てる姿はもどかしそうで、男は男で好き勝手やるから。なかなか面白いっす。
――名古屋のファンはいかがですか? 10/2、3 Zepp Nagoyaの追加公演も発表されましたが。
名古屋のファンは熱狂的な常連が多いから、帰ってきた感があって嬉しい。
――籠城型に徹しているのは?
普通のツアーって1回やって次行って、次行っての繰り返しでしょ? それだとライヴが始まって、途中とか後半くらいからやっと音よくなって次の日移動でまたやり直しでしょ? それを考えると、それやるのはうちの場合は1日だけ。2日目からは完璧な音がずっと続くわけだし。効率はいいはずです。
――確かに。
ただMCが難しいんだよね。毎日同じだから。場所が変われば、「仙台イエーイ!牛タン食ってっか−!」とか言えるけど。毎日「味噌カツ食ってかー!」っていうのもね。
――どう克服してるんでしょう。
1日中悩んでますよ。今日何食ったっけなとか、昨日何食ったっけなとか。どんな出来事あったっけなとか。新聞を端から端まで読みます。
――ネタ集め。
ネタ集め。その挙げ句、何も喋らないとか(笑)。
――いいライヴの条件とは?
やっぱみんなハッピーになることだね。出し尽くしたみたいな感じ? シャイでよこしまなガールたちがちょっと汗かいちゃう感じ? 普段はシャイだけど、ここまではっちゃけちゃったみたいな。そういうとこまで行けたらいいですよね。いつもよりちょっと上に行けたら最高ですよね。
――以前”二面性を一つのテーマにしている”と語っていますが、そうすることで、よりやりたいことに近づけられるんでしょうか。
そこで言ってるのは、あれじゃない? Kミサと今のライヴの差のことじゃないかな。そういう意味では二面性だよね。向こうは完全に座れって、立つなって言って、こっちは逆に立てとは言ってないけど座っては観られない。
――2つを見せたい。
うん、そうかもね。両方楽しいから。そうだな〜、イタリアンと和食って感じですかね。両方好きでしょ?
――違う味も食べたくなりますもんね。
そうそうそう。
――二面性と言ったら、こうして話してるHYDEさんとステージで歌ってる時のHYDEさんは別人ですね。
そうなんですよね。ステージ上の僕は、もう気が狂ってますね(笑)
――突き動かしているものはなんですか?
愛じゃないですか。
――ではインスパイアされるものは?
インスパイア! なんでしょうね。自分じゃないですか。HYDEがやってることに対して、HYDEよりカッコいいことできないかなって。僕の世界観と同じことををやってる人は僕はいないと思ってるから、僕のライヴが前提として、これよりどうやったらもっと面白くなるかなとは思いますね。
――いま「WHO'S GONNA SAVE US」のMVが浮かびました。そこに繋がってるんですね。
ああ、そうそうそう。破壊と再生です。
――自分の中で巡ってるものがあるんですかね。
エンターテイメントと個性を充実させたいですね。個性的なことって簡単なんだけど、それがエンターテイメントとして美しいかどうかっていうのはまた別の話で、たとえば簡単なことで言うと、もう排泄物まき散らせばそれ個性じゃないですか、簡単にできるじゃないですか、全員がパンツ一枚で演奏するとか。人と違うことをやるのは簡単だけど、ただそれが人と違ってカッコいいかどうかは非常に難しいところで。
――やはり舞台は海外。
に向けてますね。向こうで観られて面白いものを作ってる感じですかね。それを日本の人に観てもらう。
――後半戦はどんな感じになりそうですか。
追加公演が発表されたので、それをやったり。あとアルバムに向けて曲作ったりとか。
――ファンに対してはどんな想いが。
自分の感性信じてやってきてですね、それを信じてついてきてくれてるファンはホントに有り難いし、ついてきてくれるファンがいるから自分に自信を持てて新しいことができるのはやっぱ大きいですね。自分で好き勝手やってるように見せてはいますけど、支えがなければ自信もなくなってくるし、なんだかんだ上手くいってるのはファンの支えかな。
――若手のミュージシャンがどんどん出てくるなか、まだ第一線で活躍できるのはポテンシャルでもある。
まあね。保守的にやっていけば喜んでもらえるのはわかるんだけども、保守でやってくことに喜びを見い出だせないんだよね。たとえばラルクみたいな曲を自分なりにやっていけばほとんどのファンは嬉しいんだろうと思うけど、でもそれやってもなんか、俺このまま死んでいくんか〜、ああいう音楽カッコいいのになあ、こういう音楽カッコいいなと思いながら死んでいくのはヤダなと思って。
――だから挑戦したい。
だから不安も大きいし、受け入れてもらえないんじゃないかなあとか不安はあるけど、なんとか自分のセンスを信じて、行けるところまで行ってみたい。最終的に、ソロでもラルクっぽいの作り始めたら、コイツあきらめたなって(笑)。
HYDEちゃんのインタビューはいいね♪♪
HYDEちゃんがどんなことを考えているのか
知ることが出来るから💕
(人´∀`).☆.。.:*・゚遊びに来て下さって有難うございます<(_ _)>
来て良かったと思われましたらお願いします☆(^^ゞ


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