魂のコラボ、そしてふたりが海外で闘う理由を語り合う
【特集:MIYAVI×HYDE】スペシャル対談が実現! 魂のコラボ、そしてふたりが海外で闘う理由を語り合う https://t.co/iE5M1iW5Yl
— rockinon.com(旧RO69) (@rockinon_com) 2017年11月15日
このアルバムを通じて「キャッチー」っていう言葉を学んだ(MIYAVI)
――『SAMURAI SESSIONS vol.2』でおふたりの共演が実現して、どういうテイストになるんだろう?と思っていたら、“All My Life”はこのアルバムの中でもキャッチーの極みのような楽曲で。
HYDE ふふふ。
――実際、この間の「HALLOWEEN PARTY」でライブ初披露だったわけですけども。
MIYAVI HYDEさんとは――付き合いっつうか、知り合ったのは結構前ですもんね?
HYDE 何の時だっけ?
MIYAVI だいぶ前、どっかのテレビとかじゃないですか?――ああ、誕生日パーティーにも来てくれましたもんね。僕の30歳の時の、カオスなパーティーがあったんですけど(笑)
HYDE そうそう(笑)。
MIYAVI プライベートではちょくちょく会う機会はあったんですけど、こうやってステージを共にしたのは初めてで。「キャッチー」っていう言葉は、本当にこのアルバムを通じて僕が学んだことですし――この曲(“All My Life”)が特にやっぱり、制作過程において時間もかかりましたし。最初のリフも俺、たぶん3〜4回書き直してんじゃないかな? なんかね、「もっと行けるんじゃないかな」っていうのがずっとあって。何回かデモを送ったんですけど……「キャンプファイアーで歌えるような曲を作りたい」ってこの人が言いだして、「えー? 全然そんなモードじゃないんですけど」みたいな。
HYDE (笑)。
MIYAVI ちなみに、なんでキャンプファイアーなんですか?
HYDE ギター1本でやるのがいいなと思って。ちょうどあの、auのCMがすごいカッコいいなと思って。逆に、あのギター1本で、僕の歌1本で、っていうのも新鮮でいいんじゃないかな?っていう意味でもあったし。それで……キャンプファイアーっていう(笑)。
MIYAVI この間のライブで言いそびれましたけど、別にルックス的にはキャンプファイアーのキャの字もないじゃないですか。何を言ってんのやろな?と思って(笑)。だから、逆に「どういうイメージがあんのかな?」と思ってHYDEさんに訊いたら、ビデオデモみたいな、カメラの前で弾き語りをするHYDEっていう――このままYouTubeに載せたらすごい再生回数上がるんじゃないか? っていうのがきて。ビデオである必要があったのか?っていう(笑)。
HYDE (笑)。いや、ビデオだとほら、コード進行とかもわかるから、簡単かなと思って。
どっかで「いい曲ならいいや」っていうところがある(HYDE)
――今回のリリースにあたってHYDEさんは《僕がアイディアを送ったらどんどん彼がアレンジしてほとんど原型がなくなったかな笑》とコメントを寄せてらっしゃいましたけども。
HYDE そうそうそう。
MIYAVI そんなことないっすよ!(笑)。
HYDE 最初「COOL!」って返事が来たから、ちょこっと装飾ついてくるんだろうなと思ってたら、思いっきり装飾してあって(笑)。「コード進行ぐらいかな、残ってるのは」っていうぐらい。
MIYAVI ヴァイブスが、魂が残ってます!(笑)。でも、俺の中ではやっぱり、「キャッチー」っていうのが大きくて。こういう性格なんで、僕は勝手に身構えてたんですよ、斜めに見てたというか。でも改めて、キャッチーっていうのは――多くの人の心を掴むことでしょ? それは逆に今、自分がすべきことだと思ったし。そこを攻めること自体がロックだなと思って。キャッチーかつ斬新なものって何だ?っていう禅問答に、この曲がきっかけで入りましたね。イントロのリフとかも、キャッチーな方向にも行けるし、MIYAVIっぽい方向にも行けるし。どっちも成立しているもの、新しいもの、かつキャッチーなものって何なんだ?っていうのを、すごい練りましたね。でも最終的に、ポーンと出てきたものが――便秘気味だったものが全部出た!みたいな感じですね(笑)。
HYDE 途中途中の段階で聴いてはいたんだけど、「どんどん完成度が上がってくなあ」とは思ってました。「ここ、確かに俺もちょっと『おかしいな』と思ってたんだけど、そういうのがわかるんだな」と思って。どんどんクリアになっていって、最終的には「あ、そっか、聴いたことない音楽を作りたいんだな」とか、そういうのも伝わってきて。やっぱりアーティストだなと思いながら……逆にそういうところは、自分でもいい勉強になったかなと思って。僕、なんかどっかで「いい曲ならいいや」っていうところがあったから。これまであったような曲でもね。でも、「ないところ」を探してくるっていう――「ああ、確かにそれは俺、欠けてたな」って。そういうのも、すごい勉強になりましたね。
MIYAVI ……めっちゃ関西弁ですね。僕、前から思ってましたけど。
HYDE ……お前もな(笑)。
MIYAVI 顔と一致してないですよね?
HYDE お前もな(笑)。
俺たちアーティストはどっかで啓蒙していく責任がある(MIYAVI)
――MIYAVIさんは以前から「世界をギターで踊らせる」とおっしゃってますけども、HYDEさんもMIYAVIさんも、世界を相手に――というか世界を舞台に闘ってらっしゃる方ですし、今回の“All My Life”も、ビートと歌でどれだけユニバーサルな訴求力を持ち得るか?っていう視点を持っているおふたりだからこそのコラボレーションになってると思うんですよね。
MIYAVI そうですね。やっぱり自分の目的意識というかミッションも、どんどん明確になってきていて。パシフィックオーシャンに隔てられた壁をどうぶち壊すか?というか。全世界で鳴り響いて、どこの人だろうと踊れる、だけど日本のマーケットにも刺さる――これってもう、だいたいみんな諦めてるんですよ。(日本と海外は)別物ですっていう……「果たして別物なのかな?」「むしろ別物であることが正解なのかな?」って。レコード会社さんにとっては、もしかしたらそっちのほうが楽かもしれないし、まだフィジカル(CD)が売れたりしていいのかもしれないですけど――。
――(笑)。
MIYAVI 俺たちアーティストはどっかで啓蒙していく責任があると思うし。何より、世界から見た時に、「えっ、日本ってこうなの?」って思われたくないじゃないですか。むしろ「うおーっ!」って思わせたいし。そこの温度感、バランスがすごく難しかったですね。言葉の選び方もそうだし。ただ、最低限ビートに関しては――日本人っていうアイデンティティとか、プレイに関してもありますけど、ローカル感っていうのはあまり意識してないですね。今回は特に、そういう感覚で、その温度感で話ができる人たちにしかオファーしてないですね。HYDEさんもやっぱり、VAMPSもそうだし、L'Arc〜en〜Cielでもアメリカでやってたりするのも含めて――そういえば、最近ロスのスタジオでばったりHYDEさんに会って、それでちょっとずつ連絡とかするようになったんですよね。
HYDE 僕はもう、普段から「カッコいいなあ」と思って見てるし。家族引き連れて、アメリカで本気で頑張ってはるから。どっか尊敬というか――普通じゃないもん、大変だと思うし。日本とアメリカ行ったり来たりっていうのは、なんだかんだですごいことなんですよね。もちろん、僕たち日本人はもっと世界に出て行くべきだと思うけど、でもそれをやろうと思ったら、いろんなパワーが必要だから。彼はそれを頼もしいくらいにやってくれてるから、見てて気持ちいいなあと思ってたんですよ。だから今回も、話があった時に――普通だったら僕、忙しい時期やったら断るんですけど、「……MIYAVIだったらしょうがねえなあ」っていう(笑)。光栄だからね、声かけてもらえるのは。だから、「何とかしてみよう」っていう気持ちになりましたね。
MIYAVI ありがとうございます!
MIYAVIには天性の勘の良さを感じる(HYDE)
――お互いを見た時に「相手が持ってて自分にない要素」を挙げるとすれば?
HYDE ……全部ない!(笑)。
MIYAVI (笑)。
HYDE 彼はパフォーミングも素晴らしいし、ギターも上手だし、歌もカッコいいし……全部ないな、俺には。歌は多少頑張ってますけど――。
――いやいやいや。「多少」って(笑)。
HYDE それ以外は本当にね、お見事!っていう感じですかね。天性の勘の良さを感じますね。
MIYAVI ……返しにくいじゃないですか(笑)。でも、僕が今回、ステージを一緒にやらしてもらって思ったのは、すっごい自然なんですよ、すべてが。それがキャパシティなんだろうなあっていうか。それは確実に僕にはないというか。なんかこう、ふわーっとしてるじゃないですか。
HYDE (笑)。
MIYAVI でも別に、ふわーっとしてるけど、ダラッとしてるわけじゃないんですよね。で、気づけばいろんな人が巻き込まれてるっていう。今回のハロウィンイベントも後輩が多い中で――だってあれ、3日間でしょ? いろんな人がそこに立って、それを巻き込んでエンターテインしていくっていうのを、自然とやってるから。それは俺にはできないし。もちろん経験もあると思うんですけど、人となりなんだろうなあっていう。それはアーティストとしてもそうだし、男としてもそうだし。だからこそ、これまでのキャリアも築けたんだろうなって。器の大きさを感じましたね。
――武道の達人は普段ファイティングポーズとってないけど、自然体で最強、みたいな感じですかね?
MIYAVI そうですね。ふわーっとしてるんですけど。
HYDE 確かに、そこは違うかもね。逆に彼は、気合いを常に感じる。常に闘ってる感じがするね。
MIYAVI 自然体っていうか、力が抜けてる状態だから、人が近寄れるというか。俺はそこがね、まだ熟してないというか――自分で言うのも何ですけど、まだ若い部分で。意識してないんですけどね。でも、それは本当にすごいなと思いました。俺の場合は、脱力したら本当にそのまま脱力しちゃうから(笑)。
――でも、そのファイティングポーズで道を切り開いてきた人ですからね。
HYDE そうそう。
MIYAVI でも俺もね、ここから先、経験を積めば、そういう境地というか感覚が見えてくるのかなあと思いますけど。今回イベントやらしてもらって――ステージは一瞬でしたけど、今回の楽曲のやりとりも含めて、すごくキャパシティを感じましたね。あと、さっきの話とも通じるんですけど……「日本で通用するもの」と「海外で通用するもの」を一緒にしていく作業を、この作品も含めてこれから先やっていくんですけど。そこの交わる部分を持ってる人だなあって。それはすごく大きなことだと思いますね。マジョリティに届くキャッチーさっていう――そこはもしかしたら、さっきの「いい曲やったらええやん」っていう言葉に集約されてるかもしれないですけど、そこの「キャッチーであることのスタンス」っていうものはほんと、作品全体に影響しましたね、最終的に。だって、こんなキャッチーなリフとか、出てこなかったでしょうからね。別に「もっとキャッチーにしてよ」って言われたわけでもなくて、それは勘みたいなものでしたけど、ポッと出てきたものが「もっとこうじゃねえかな」「こっちなんじゃねえかな」ってずっと感じてて。だから俺、勝手に書き直してたんですよね。
HYDE (笑)。でも、どんどん面白くなっていったし。すごいなあと思って。
――以前、MIYAVIさんは『ROCKIN'ON JAPAN』誌のインタビューで「日本のアーティストのアメリカ進出はたいてい、野球をやってるところに剣道のルールで乱入するようなもの」とおっしゃってましたけども。
MIYAVI そう、俺が言ったのは、バット持って「面!」ってピッチャーに向かっていったら退場でしょ?っていう(笑)。日本の音楽ってそういう部分があるというか。好きな人は聴くけど、聴かれてないじゃないですか。向こうのラジオでもかかってないし。
HYDE 必要とされてないからね。国内の音楽で十分まかなえるから。
――そのたとえで言うと、HYDEさんは「野球のルール」で闘いを挑めている貴重な方じゃないですか?
HYDE まあでも、直球だとダメだと思ってますけどね。そこはなかなか難しいところで。
――でも、ルールとマナーに則った変化球を投げてる感じはありますよね。
MIYAVI 実際、ピッチャーに殴りかかったらニュースにはなるけど、それじゃ続きませんよね?っていう(笑)。サステナブルに音を鳴らしていく上では、ルールに則った上で、そこでどう勝負していくかっていう。その中には変化球もありだし、イチローさんみたいに安打で勝負するっていう。それに近いかもしれないですね。パワースラッガーはいっぱいいますけど、「ちゃんと当てに行って結果に結びつける」っていう。それが日本人の得意としてるところだろうし。それが何なのかっていうことを、俺たちはアーティストとして学ぶべきだなあと思いますね。
――最後に……今回おふたりのコラボで“All My Life”という曲が生まれたわけですが。さらにもう1曲!っていうことになったら、どんな曲を作りますか?
HYDE やっぱり、キャンプファイアーを囲んで――。
――そこ重要ですね(笑)。
MIYAVI でもこの曲、アコギにしたらキャンプファイアーできると思います。できるでしょ? 全然。
HYDE ほんと? やろうよ、じゃあ。キャンプファイアー(笑)。
カッコイーね♪
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