

11月の初めにふたりに取材した際には、休止の話は一切出なかったし「もっともっと」という気持ちが伝わる内容のインタビューでした。

《VAMPSは、2017年12月をもって活動を休止します。理由は、活動にオーバーヒートが生じ、冷却期間が必要だと感じたためです》
――VAMPSオフィシャルサイトに掲載されたアナウンスに、僕は大きな驚きと衝撃を受けた。が、それは「あまりにも突然の発表だったから」だけではない。
活動休止発表の1ヶ月前、アルバム『UNDERWORLD』を携えて回ったツアーのライブDVD/Blu-ray作品『VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD』についてのインタビューで話を訊いたHYDEとK.A.Zは、確かに「その先」へ向けた意欲とビジョンを語ってくれていたからだ。
しかし、以下のふたりの発言は同時に、「オーバーヒート」と形容されたこの1年間の過酷な闘いぶりと、彼ら自身をそんなハードワークへと突き動かした原動力をもリアルに物語っていると思う。
オフィシャルサイトの《平熱にもどり、再開の目処がたったら最恐に復活したいと思っていますので、その際は応援よろしくお願いします》という言葉を胸に、今はただ、VAMPSのさらなる快進撃の時を待つこととしたい。
◆ ◆ ◆
アメリカツアーでは日本で起こらないようなことが当たり前に起こる(K.A.Z)
――去年(2016年)はフェス出演3本を除けば、基本的には国内外のツアーに明け暮れた1年だったわけですけども。今年は4月にアルバム『UNDERWORLD』をリリースして以降、アメリカツアーの後でそのまま国内ツアーに突入、しかもツアーの公演とフェス/イベントのスケジュールが入り混じった、かなりカオスな1年でしたよね。VAMPSくらいのキャリアと規模感のアーティストになると、ツアー期間とイベント期間でスケジュールを分けるのが普通のように思うんですが?
HYDE いや、フェスはフェスで全然違う感覚なんで。ずっとツアーが続くよりも、そういうのが入ったほうが刺激的だし。普段は自分たちのファンに囲まれてるけれども、そういうグレーゾーンの人がたくさんいるようなところでやるのも、自分たちのためになるというか。その後のツアーにも活かせるというか。
K.A.Z 大変な部分もあるんですけど、たとえばワンマンでやる時とは違う、いろんなバンドのファンが来てて、その前でやるっていうのは、逆に新鮮味がありますよね。観たことない人に観てもらういい機会だし。もちろん、それで好きになってくれて、次からライブに来てくれる人もいるわけであって。
――この秋にもアメリカツアーを回ったばかりですが、DANZIG、DEAFHEAVENと行うはずだった初日公演がいきなりキャンセルになるという。
HYDE 結構なドタバタでしたよね(笑)。「どうなんのかなあ?」って。挙げ句に4日連続になって。
――9月22日・24日・25日・26日と西海岸を回って、その次が28日にシアトルの予定だったところが、22日のキャンセル分が27日に急遽開催されることになりました。
HYDE しかも、2日間かけて移動するはずだったのが、1日でやらないといけなくなって……何時間だっけ? 4時間ぐらい遅刻したよね?
スタッフ 3時間遅れでしたね。
HYDE 「3時間遅刻して、これ定刻に始まるのか?」と思ったら……始まったね(笑)。
――しかもその後、中南米を回っている時、10月5日のメキシコ公演が、地震のために国からストップをかけられるという。
K.A.Z 地震があったのはメキシコの南の方で、自分たちがいたのはもうちょっと北の方だったんですけど。ただ、結果的に1本キャンセルになって。楽しみにしてくれてた人もいたし、すごい残念だったんですけど……でも、もうトラブルとかは常に起こるっていう感じなので。ここ数回、アメリカツアーをやってて、日本では起こらないようなことが当たり前に起こったりするから。そこは慣れてきますね。
――去年の11月にもアメリカを回ってますし、この1年足らずの間に3回アメリカを回るって、傍目にはめちゃめちゃハードなスケジュールに映るんですけども。そのハードさも含めて楽しめている感じですか?
HYDE そうですね。楽しめるというか――2017年の1年間っていうふうに考えると、この1年のために11月のツアーがあったし。今年2回アメリカを回るのはそんなに多くない、むしろ現地のバンドからすると少ないくらいだし。それを日本人がやるわけだから、これでもまだ少ないとは思うけどね。
うちらも海外バンドのようなタフさを身につけていかないといけない(K.A.Z)
――この1年って、VAMPSにとっていろんな境界線を超えてきた時間だったと思うんですよね。日本と海外――特にアメリカですよね――の境界線もそうだし、ホーム:ワンマンとアウェイ:フェスの境界線もそうだし。そういう枠組みに関係なく、VAMPSがより強靭な訴求力を備えていくために重要な1年間だったような気がするんですけど。
K.A.Z でも考え方によっては、海外のバンドって――ツアーをやるとなったら、アメリカでもツアーを回って、ヨーロッパでも回って、日本にも来たり、いろんなところに行くじゃないですか。だから、ツアーの期間とか、もっと長く取ってたりするし。でも、日本のバンドって、日本だけを回ってますよね。そう考えると、むしろ日本のバンドの方が異質かなと思うんですよ。
――確かに、海外のバンドは1枚アルバムを出したら、そのワールドツアーで普通に2〜3年かかったりしますからね。
K.A.Z そうですね。だから、外に出ようとするバンドがそれだけ少ないのかなと思うし。たとえば、海外のバンドが普通に来月日本に来るよとか、ジャパンツアーを回ってからまた次の地域に行ってとか……やっぱり、タフさがあると思うんですよね。うちらもそういうタフさを身につけていかないといけないと思うし。音楽をやる上で、どこの人に聴いてもらいたいっていうふうに限定はしてないし。世界のいろんなところで聴いてもらって、ワールドツアーでどんどんのし上がっていって頂点を獲るバンドもいるし。それがあるべき形なのかなって。
日本だけにいるとどうしてもハングリーさに欠けてくる(HYDE)
――ボーダレスな視点を持てているのも、これまでの経験ゆえだと思うんですよね。そういう皮膚感覚が、『UNDERWORLD』っていうアルバムにも活きてるし、今回リリースされる映像作品『VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD』に収録されているツアーの映像――「ホーム」である国内のライブ映像にも出てると思うんですよね。ホームではあるけど、いやホームだからこそ挑みに行くっていう。
K.A.Z やっぱり、自分たちが海外のツアーを回ってきて得た刺激だったりとかそういうものを、ライブとしてもちろん日本でも観せていきたいっていうのもあるし。アルバムを作って、でっかい波を作りたいっていうのもあるから。でも、それをやるには挑まないと、波はできないし。いろんなところで波を作って、大きな一個の波にしたいと思ってるから。そのためには、その場所に行って、実際に空気を吸って、人と触れ合って、演奏して、ダメだったところを「何が違うか」って考えて
――やっぱり、一個の場所にずっといたら、いいものがわからなくなるんですよね。同じものをずっと食べてても、それが美味しいのか不味いのかもわからなくなるし。でも、海外に行けば、もっと美味しいものもいっぱいあるだろうし、食べたことなくてびっくりすることもあるだろうし。それがまあ、バンドを通してできるっていう。それはすごく幸せなことだと思いますね。ツアーを回ってきて、みんなタフになってくるし。
――収録されているZepp Osaka Bayside公演での、HYDEさんの獰猛な挑み具合はすごいですよね。
HYDE そうですね。もちろん、この大阪の、来てるお客さんに対してのライブではあるんですけど、その向こうにやっぱり、僕はアメリカを見てるので。この映像をアメリカに届けるためのライブでもあると思ってますから。そういう気持ちが出てるんじゃないかと思いますね。今はそういう、日本のものでもありながらも、そのコンテンツをどんどん輸出していかないと、アメリカでの宣伝力みたいなものは全然足りないので。常にそういうことは、日本のライブでも意識するようになりましたね。
――“RISE UP”の獰猛さも、別曲か?ってくらいさらにアップしてますからね。
HYDE あ、そう? うーん……ちょっとお腹空いてたのかもしれない(笑)。
――単に「アメリカで興行的な成功を収めたい」っていうよりは、もっと「音楽的にユニバーサルな表現でありたい」っていうような情熱が、このライブを貫いている気がしますね。
HYDE うん。やっぱり、日本だけにいると、独特の――安堵感じゃないけど、そういう独特の空気感があるんでね。どうしてもハングリーさに欠けてくるかなっていう気がするんですよね。海外を見つめることによって、常に「どこから見られても大丈夫」な状態にしておきたいなって思いますね。
次の課題として、進化したいなと思いますね(HYDE)
――『UNDERWORLD』っていうアルバムを持って駆け抜けてこれたっていうのは、この1年間の活動を支える原動力として相当大きかったと思うんですけど。
HYDE そうだと思う。現地のアーティストと同じように、プロデューサーっていう存在と音楽を作っていくっていう、初めての作品だからね。やっぱりそれによって、得るものはすごく大きかったし。向こうのファンの反応も違うかなっていう気がしますね。
K.A.Z 今回、「もっと海外に入り込もう」っていうことで、ケイン・チュルコとハワード・ベンソンっていうふたりのプロデューサーを立てて
――現地の人しか感じられない雰囲気だとか空気感っていうのはあると思うんですよ。実際、そこに住んで、そこのシーンをずっと見てきた人の。自分たちも、もちろん海外のツアーをやって、いろいろ見てきたけど、もっとディープなところっていうことで、「曲の形をどうするか」とか、曲調だったりとか、そういうところからスタートして、彼らの力を借りようって。で、今あるアイディアとかをもっとよくしてアルバムを作る、っていう……
それをやったことによって、今までにない手応えももちろん感じたし。素晴らしいふたりのブレインと、彼らの周りの素晴らしいスタッフもいるから、そこでのアイディアももちろん盛り込んだりしていって、すごく自信作ができて。ケインとレコーディングして一番最初にできた曲が“CALLING”で。それを聴いて「めっちゃカッコいいな!」ってテンションも上がったし、次のレコーディングも楽しみになった。で、また1曲2曲とできあがっていって、「これは一旦日本に帰ってやって、また向こうに行って残りの曲をやって」みたいな繰り返しだったんですけど、それをやってる意味があったなって思うし。周りの人たちが聴いて「これ、すごいね!」「普通に洋楽だね」って
――僕はその「普通に洋楽だね」っていうのはすごい褒め言葉だと思っていて。やっぱりみんな、どっかしら洋楽に憧れてる部分はあると思うし、自分自身ももちろん憧れてるし。それができたことによって、自分もステップアップできたなと。ツアーを回ってても、新しい曲を提げてやるっていうのは楽しみだし。あっちの人がどういうふうに反応するのかとか、他の一緒に出てるバンドから「いいよ!」って言われるのは自信にもつながるし。あっちに行ったら新人だからね(笑)。でも、そういうところから這い上がって、あそこ(アメリカ)の頂点を掴んでるわけだし。だからこそ応援してくれるファンが出てくるんだと思うし。
――『UNDERWORLD』の曲をやってる時の手応えは、これまでと違うものでしたか?
HYDE うん。アメリカでももちろんあったけど、日本でも――
これまでと雰囲気は違うけれども、それなりに反応は悪くなくて。(セットリストに)アルバム全曲入れてるし。これまでよりも、メニューを変更しないで、なるべくストレートにやった感じですね。これまでのアルバムは、1枚で2年ぐらい回ったりしてたから、毎日メニューを変えないとお客さんも変化がないかなあと思ってたんだけど。今回はもう、自分でも本数がわかってたので、じっくり全部浸透するまでやろうと思って。ツアー初日から、もうアルバム全曲やってたんですよ。でもすごい、最初から反応よかったですね。
――『UNDERWORLD』のリリースタイミングで、HYDEさんはいろんなところで「次は決定的なアルバムになる」ということをおっしゃっていて。この1年を経て、よりその確信は深まった感じですか?
HYDE そうですね。今回、初めてプロデューサーと一緒にやったことによって、「やり方がわかった」っていうところも大きいかなと思って。「このスタイルでやるんだったら、次回はこうしたいな」っていうのが、たぶんそれぞれあると思うし。僕もやっぱりそこは――次の課題としてね、進化したいなと思いますね。
K.A.Z とにかく、いい曲がないと始まらないなっていう部分はもちろんあるし。多くの人に聴いてもらうためには、実際にその場に行かないと伝わらないっていう部分も、ライブをやってて感じるし。世の中にはものすごい数のバンドがいて、みんなアルバムを出してて。だけど、出しただけだと伝わらない部分ももちろんあったりして。実際そこに行ってライブをやって、っていうことは必要だなって思いますね。
ブログ更新しました!
— Jin Saito (@jinxito) 2017年12月3日
「VAMPS活動休止を受けて」https://t.co/ShuPLyxpXk
VAMPS活動休止を受けて
一昨日の夕方に発表されたVAMPSの活動休止について、僕からもいろいろな思いを書き綴ってみたいと思う。
9年間VAMPSのサポートメンバーをやらせていただいた。
元々ライブには無縁の、スタジオ専門のただの太ったマニピュレーターが、素人感丸出しでステージにノコノコと上がったのはHYDEソロ時代、2006年のFAITHツアーの時だった。
あまりに顔にしまりがないのでスリップノットのような仮面を被り、あまりに身体がふくよかだったのでダブダブのつなぎを着てごまかし、無茶なステージングをやる謎のキーボードを演じきることで、なんとか長いツアーを乗り切ったようなものだった。
その後1年間のブランクを経て今度はHYDEソロではなく、プロデューサーのK.A.Z氏とのユニット「VAMPS」が結成された。
元々FAITHツアーのステージ経験は、人生のご褒美的なことのような気がしていたので、当然VAMPSでは再び裏方に戻るつもりでいたような気がする。
しかしハイド氏に「VAMPSでもオンで行こうよ……でもさぁ、これを機会に痩せたらどう?」と言われる。
そうなのだ、デブのロックミュージシャンが悪いとは言わないが……自分で一番実感することはデブのステージングはとにかく身体への負担が大きい。激しいヘドバンといったパフォーマンスをするにしても、より大きな負荷が首や腰にかかることになる。
現にFAITHツアー時の僕は慢性的かつ深刻な腰痛を患っており、ライブ本番の30分前に痛み止めのボルタレン座薬を毎回打っていたぐらいだった。
可能な限り身体への負担を軽減したい、と思ったのが結果的に24キロ減量のきっかけとなった。
9年経った今でも、変わらず62キロ(これは自分が高校一年生の時と同じ体重でもある)を維持できている。
つまり結果として僕はVAMPSのステージに立てたおかげで「健康」を手にすることができた。
人生的にはもうそれだけでも感謝感激の大きな出来事になるだろう。
しかしそれだけではない。僕にとって他にもあらゆる福音の数々をもたらせてくれた。
日本全国津々浦々、桜咲く港町、真夏の砂浜、古都の紅葉、あのドラマそのままの雪国、そんな風景を楽しめた。
また、大きなロックフェス、単独野外フェス、国内最大の仮装パーティー、翌朝はスキー教室?(-“-)といった様々な形式でのライブ経験もたくさんすることができた。
国内に限らず海外にもたくさん同行させてもらった。
アメリカ、イギリス、フランス、スペイン、ドイツ、メキシコ、ブラジル、チリ、アルゼンチン、インドネシア、中国、台湾……
特にアメリカはテンピとかデンバーとかピッツバーグといった、VAMPSに関わってなければまず行くことのないような一般的な観光とは無縁の街をたくさん訪れることもできた。(ピッツバーグにはいつかゾンビ目的とロメロ氏のお墓まいり目的だけで行ってみたい)
音楽的にもたくさんの人々に出会い触れ合い謳歌した。
(え?「ナッシング・モア」がグラミー賞で3部門ノミネートですって!?俺セクブラで一緒にユニゾンパーカッションしたことあるんだぜーうぇーい)
そして一生お付き合いが続くような大切な友人や仲間がたくさんできた。
長い音楽人生の中でも最高の9年間だったと言い切れる。
あと1年、10周年までは止まらないだろう…とは思っていたけれども、今回ここで一旦活動休止となった。
しかし残念といった感情はあまりなく、今はただ「とりあえずお疲れ様」という感情と、全方位に向けての感謝の気持ちしかない。
VAMPSのお二人、一緒に演奏してきたサポートメンバーのお二人、スタッフの皆さん、事務所の皆さん、9年間ありがとうございました!
そして、応援してくれたみなさんにも最大限の感謝をしたいです。
どうもありがとう!
みなさんと同じく僕も、充電を終えたヴァンパイアたちの最恐の復活を待つことにしよう。
ではその日まで。
さらば、バイバイよ。
……と雲隠れしてしまうのも潔い気もするのだが、僕に関してはまずやり残したことをやっておきたい。
僕ができること、僕にしかできないこと、そしてなにより僕のやりたいこと、やりたかったこと。
今はそれらを実現すべく、水面下でなにやら不穏な動きをしている毎日である。
親知らずを痛がっている場合ではないのだ。(まだほっぺが腫れてるけど)
というわけで、、、
当ブログの引き続きのご愛好をよろしくお願い致します♪
jinさんブログも添えて.+:。(∂∀6)゚.+:
何かの事情があるのですね(∂∀6)
TETSUYAさんの緊急重大発表も
気になりますしね( *´艸`)
充電も必要な事ですしね♪
私たちも充電しましょう♪
*✲゚*。ʚ(*∂∀6)ɞ⋆ྉ
いつも遊びに来て下さって有難うございます<(_ _)>
来て良かったと思われましたらお願いします☆



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